「全力」の弊害

 「全力を尽くす」「全力疾走」など、力いっぱい頑張る事は一般的に美徳とされています。
 しかし、明日までにやらなければならない、などという事ならともかく、何事にも全力であたるのはいいことなのでしょうか。
 全力を尽くせば尽くすほど、余裕がなくなります。
 その結果、発想力も減退し、効率的なやり方を考える余裕もないので、昔ながらの非効率的なやりかたとなってしまいます。
 しかも、上手く行かなくても「全力を尽くしたのだから」と本質と関係ないところで免罪されてしまい、間違いを反省して今後の糧にすることもできません。
 こうやって考えると、「全力」にはかなりの弊害があると思っています。
 余裕をもって事を進め、無理せずに行い、そして失敗したら、過程の頑張りを言い訳にせず、冷静に反省して次に活かすことが重要だと思っています。
 それもあって、常に「全力」を促したり、「全力」を免罪符にしようとする人は、あまり評価しないようにしています。