敗因分析はいいけれど…

 自分の趣味は将棋です。
 将棋の場合、対局が終わると、感想戦といって、「どこが悪くて負けたか」を検討する、という風習があります。
 ここで、一定の結論が出るわけですが、それが絶対に正しいという担保はありません。
 もっとも、現在はコンピューターで分析ができるので、それを使えば「絶対に正しい結論」は出るわけですが…。
 話はそれましたが、コンピューターが結論を出せる将棋や囲碁と違い、実際の社会での活動でも、終わった直後に行った敗因分析が必ずしも正しいとは限りません。
 それは、あくまでも、その時点での仮説であり、今度はそれの検証が必要となってきます。
 ところが、それが仮説でしかないのに、あたかも検証済みの結論であるかのように扱い、「敗因分析は完了」としてしまうことがよくあります。
 その結果、間違った「敗因」をもとに対策を立てるわけですが、当然効果はなく、再び同じ間違いを繰り返します。
 本来なら、その時点で、前回の仮説が間違いでは、と考え、別の仮説を立てた上で検証するのですが、それをセずに、また、短期的に出した仮説を「結論」にしてしまいます。
 これではいつまで経っても失敗のスパイラルから逃れられません。
 やはり、仮説を立てたら必ず検証し、その上で結論を出す、という事が、いくら時間がかかっても必要だと思っています。