「狼少年」はいつからバレていたのか

 有名な童話である「狼少年」ですが、一つ、興味深いことがあります。
 彼が何度も嘘をついているうちに、皆が信用しなくなって、最後は本当に狼が来たのに、誰もが相手にしなくなり、村の羊が狼に食べられてしまった、という話です。
 最初に「狼が来たぞ」と叫んだときは、皆が本当に思って武器を持って集まったものの、嘘だったと知り、解散します。
 しかし、その後も少年は嘘をつき続けます。
 その間、誰もが真剣にその少年の嘘を批判せず、嘘を聞き流した結果、羊が食べられる、という損失が発生したわけです。
 もしも、最初の時点で、嘘がいかにいけない事かを少年にさとしておけば、こんな損失は起きませんでした。
 要は、嘘をついた少年のみならず、嘘を聞き流した村人にも問題があったというわけです。
 今の日本でも、この村のように、嘘をついても咎めだてしない、という風潮が蔓延しています。
 その結果、嘘つきが大手を振っています。それが社会全体に何をもたらすのでしょうか。「羊が食べられる」程度の被害ではすまないのでは、と思っています。