「暇」の効用

 かつては、仕事で「暇な日や時間」があるのは当たり前でした。
 もちろん、その時間を使って、お茶を飲んだり雑談をしたりすることもありました。
 しかし、それ以上に、「時間が取れたらやってみようと思っていた課題にあたってみたい」とか「以前、ちょっと思いついた考えを深めたい」などという事にその時間を自分は使っていました。
 その結果、懸案が解決したり、効率的な仕事の進め方を開発することができたものでした。
 しかし、今は、そのような「暇な日や時間」を持つことが許されません。
 超有名会社で契約社員をやっている知人は、「分単位で仕事を管理されている」と言っていました。
 確かに、そのようにすれば、経営陣の計画通りに皆が無駄なく動き、「生産力」がアップするのでしょう。
 しかし、それだと、新たな発想が生まれたりする余地は大幅に減ります。
 さらに、想定外の事が起きたとき、それに対処する時間がなく、被害が拡大してしまいます。
 その結果、日本の企業や経済は衰退する一方です。
 「暇な時間や日」が持てる余裕を取り戻すことが、働く人のみならず、社会全体に必要な事だと思っています。