「無駄な時間」の必要性

 ある大手携帯キャリアで働いている知人が、「最近、職場の時間管理がきつくなっている。分単位で管理されている」と語っていました。
 そうやって、無駄な時間を削って働かせれば、会社の利益が増える、という発送なのでしょう。
 しかし、これは完全に間違っています。
 人間は、経験を蓄積し、それを自分のものにして成長します。
 また、問題点が発生すれば、その原因と対策を考察し、それによって問題の再発を防ぎます。
 それらの思考を行うには、一定の「仕事をしていない時間」が必要です。
 その時間を奪って、ひたすら作業させれば、成長も改善もなくなります。
 したがって、仕事の質はいつまでたっても向上しません。
 日本の技術力低迷が盛んに言われていますが、このような「働かせ方」も、その原因のひとつなのです。