普通の善良な夫や父親が戦場で豹変?

 ロシア軍の蛮行が日々報じられています。
 昔から、このように軍人が残虐行為を行うと「家に帰れば優しい夫であり父親であるのに戦場では人が変わる」みたいに論評されます。
 しかし、それにはかなりの違和感があります。
 たとえば、電車内での痴漢や、駅での「ぶつかり男」、電話窓口でカスタマーハラスメントを行うクレーマーなどは山程います。
 そういう連中も「家に帰れば優しい夫であり父親」である事例は多々あります。
 むしろ戦争で残虐行為をする輩は、そのような日頃からのミソジニーや弱いものいじめの願望を、「戦場」という事で合法化され、喜んでやっているのでは、と思っています。
 加えて言うと、暗黒時代の大日本帝国では、日頃から、男尊女卑や弱いものいじめが奨励されていました。そして、それが教育勅語の「戦争になったら天皇のために命をささげろ」に繋がっていたわけです。
 それだけに、なにか戦争が極めて特殊であるかのように表現する「家に帰れば優しい夫であり父親であるのに戦場では人が変わる」には強い違和感を持っています。