自称「平和の像」

 毎年、8月9日になると、長崎の公園にある「平和の像」なるものの画像がメディアやネットで大量に見ます。
 広島の原爆ドームと並ぶ、象徴的な物ですが、昔から、これを見た時には違和感がありました。
 なにしろ、これと原爆の関連性がまったくないからです。
 調べてみたところ、これは戦時中にさんざん、戦争を鼓舞する彫刻を作り続けてきた人が、敗戦後、その所業に頬かむりして、長崎に売り込んで作ったものとのことでした。(西日本新聞2019年の記事
 戦争鼓舞のために造った像も、「平和の像」もデザイン的には違いがないそうです。
 要は、敗戦前は戦争を鼓舞し、敗戦後は「ずっと平和主義者だった」などと自称した「はだしのゲン」に出てきた鮫島伝次郎を地で行っている彫刻家だったわけです。
 それなら、原爆の酷さを欠片も伝えない「平和の像」ができるのも納得です。
 8月9日にこの像を取り上げる前に、もっと多くの人がその由来を調べてほしいものだと思いました。