最長片道切符の終着駅が変更

 ニュースを見たら、「最長片道切符切符の終着駅が、肥前山口駅から新大村駅に変更に」という記事がありました。
 自分は、中学の時に、故・宮脇俊三さんの「最長片道切符の旅」を読み込んだものでした。
 北海道から、本州・四国を経由して鹿児島の枕崎まで向かうのですが、その経路設定の複雑さに本当に驚いたものでした。
 特に凄いと思ったのは、一旦、首都圏も通過して豊橋まで行くのですが、そこから、飯田線で北上して東北である会津若松まで戻ってしまうのです。
 他にも、色々と複雑かつ細かい経路があり、それを楽しんだものでした。
 それに対し、ニュースに掲載されていた九州の経路は、極めて単調なものでした。
 唯一、往年の最長片道切符らしさが残っていたのは、久留米から新幹線なら4分で行ける新鳥栖へ行くのに、かつての筑豊炭鉱路線などを乗り継いで、一日近くかけて行く経路でした。
 しかし、この経路にある日田彦山線には災害に乗じた廃止が決まっている区間があるので、まもなく使えなくなります。
 そうすると、ほぼぐるっと九州を一周するだけの経路になってしまいます。
 北海道でも、新旭川から6分で行ける旭川に行くのに網走と釧路をと経由する、というルートがありましたが、これも同様に、新得-富良野間が災害便乗廃止をされるので、近々使えなくなります。
 この40年間で、赤字を理由に膨大な路線を廃止し続けたわけですが、その結果、鉄道網が荒廃した事がよくわかる事例だと思いました。
 同時に、その廃線と引き換えに、どれだけ地方が荒廃したかと思い、大変残念な気分になりました。