ここ数年のＮＴＴの宣伝で、「ＩＳＤＮ」という名前は相当一般に浸透した。ただ、ネットでもやっていない限り、ＩＳＤＮというのが具体的にどういうものかを理解している人は少ない。それを利用してセコい商売を目論む会社がいくらか存在する。その手口は以下のようだ。
まず、「電話の担当の方お願いします」と来る。そして回ってきた電話を筆者が取ると、いきなり「貴社はＩＳＤＮの導入はなさっていますか？ ご存知の通りインターネットがやりやすくなり、月々の電話料金が安くなるわけですが、工事費の問題もあって導入されていないのではないでしょうか？そこで当社にお任せいただければ工事費無料でＩＳＤＮを入れさせていただきます」とたたみかける。
基本的に筆者は、きちんと名乗りもしない売り込みは無視する事にしている。しかし一度暇な時にどんな内容のインチキ商売か知りたくなり、興味を示しふりをした。すると、すぐに「当社の製品を何か買えば、そのついでにＩＳＤＮの工事を無料でやる」という本当の目的を話してきた。
ちょっとパソコン雑誌でも読んでいれば、自宅でＩＳＤＮを導入する工事費は、一番安いもので3000円程度から出来る、という知識は得られる。法人だって同額ではないが、多く見積もっても十倍もあれば済むだろう。だから、仮に数十万の物が売れれば、ついでのサービスでＩＳＤＮ導入をタダでやってやっても十分元を取っておつりが出る、という事は即座にわかる。もちろん、それ以前の問題で、いきなり「タダで○○してやる」なんていう会社に下心がないわけはないのだが。
向こうの会社としては、担当者が中途半端にＩＳＤＮを知っていればひっかかる、という考えなのだろう。このような電話はここ一年くらいの間に何度かかかってきている。つまり、そのような商売にひっかかる所も相変わらず存在する、という事だろう。
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