アプリケーション雑感

 

第7章・ノートン インターネットセキュリティ2004

2004/05/02

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 シマンテック社のノートンシリーズを始めて買ったのは6年くらい前になる。当時使っていたWindows95マシンがよくフリーズして困っていた時に、「ノートン ユーティリティ」というソフトを入れるとトラブルが減る、と聞いて購入した。そして、様々な監視機能、さらには誤って上書きしたファイルを元に戻す機能などを使い、その便利さに大いに驚いた記憶がある。
 余談だが、当時の、ノートンシリーズのパッケージにデカデカと印刷されていた「ピーター=ノートン氏」には驚いたものだった。たとえば、ノートン氏の写真をカラーにするか白黒にするかで、通常版とアップグレード版の区別をつけるほどの「活用ぶり」だった。この「ノートンおやじ」の印象が強すぎたので、パッケージからノートン氏が姿を消してから数年たった今でも、我が家ではノートンシリーズの事を「(ノートン)おやじ」と呼んでいる。
 閑話休題。その後、Windowsのアップグレードにともない、「ユーティリティ→システムワークス」の機能は必要なくなった。その一方で、ウイルスメールや不正アクセスが話題になった事があり、2001年頃からは、「ノートン インターネットセキュリティ」(アンチウイルス+パーソナルファイヤーウォール)を購入する事にした。
 もともとは、ウイルスや侵入対策のために購入したが、予想外に便利だったのが「広告カット機能」だった。ヤフーを始め、あのちかちかして鬱陶しいバナー広告を目にせずにすむようになったからだ。ただ、「副作用」として、本来表示されなければいけない画像が表示できなくなった、という現象も生じてしまったが。
 また、パーソナルファイヤーウォール機能を使うと、家庭内LANの使い勝手がやや悪くなる、という欠点もあった。ただ、設定さえすれば何とかなる上に、バージョンアップのたびにその機能も少しずつ使いやすくなっていたから、あまり不満はなかった。

 このテのセキュリティソフトは、更新の有効期間があり、それを過ぎると最新情報が入手できない。更新にかかる金額はバージョンアップにかかる額とさほど差がないので、2年に一度くらいは新バージョンを買うようにしていた。そして、昨年は買う年にあたっていたので、当然のごとく、インターネットセキュリティ2004を購入した。
 2004には新たに「アンチスパム(AntiSpam)」という機能がついていた。これは、スパムメールを自動的にゴミ箱に入れる、という機能だ。発売してしばらくした時に読んだ雑誌が、ノートンを始め、各社の「アンチスパム機能」を比較・検証したところ、ノートンのものが一番性能がいい、と書いてあったので、「惰性でノートンを買っていたけど、ラッキーだった」と思っていた。
 ところが、しばらくして、奇妙な事に気づいた。筆者は出先で思いついた事を、携帯からパソコンにメールする事が少なからずある。ところが、そのメールが届いていないのだ。まさかと思ってゴミ箱を見たら、勝手に件名の前に[Norton AntiSpam] とつけられて振り分けられていた。その後も、家族からのメールなどが、同様の扱いを受けていた事があった。
 しかも、このアンチスパムには、「許可リスト」というのがあり、そこにメルアドを登録しておけば、ソフトのルールで「スパム」になるものでも、ちゃんと受信するという設定になっているはずだった。ところが、登録したにもかかわらず、自分の携帯からのメールが再び[Norton AntiSpam] とつけられてゴミ箱行きになっていた。
 何通しか来ないスパムメールを自動的にゴミ箱に持っていく機能など、重要なメールを勝手にゴミ箱に持っていかれるリスクを考えると、意味がないに等しい。そこで、この機能はオフにすることにした。
 ちなみに、スパム対策だが、よく来るスパムメールの件名・本文のうち、絶対にまともな相手から来ないもの(例・ソフト激安情報・「※未承諾広告※」)などをゴミ箱に振り分ける設定にしておけば、個人レベルでは十分なのではないだろうか。
 今後、バージョンアップの度に改良は重ねられるだろうが、何かで「スパムでないメールは絶対にはじかない」という事がない限り「アンチスパム」を有効にする事は絶対にないだろう。

 まあ、この「アンチ・アンチスパム」は対策が簡単だから良かった。しかし、もう一つ不具合が発生し、これについてはいまだに困っている。
 その不具合とは、「通信速度の極端な低下」である。実は、インターネットセキュリティ2004の導入の直前に、Bフレッツニューファミリーを入れたのだが、なぜか速度が3Mbpsと、従来の「ファミリー」と同じだけしか出ない。いろいろと原因を調べていたが、試しにインターネットセキュリティを「無効」にしたところ、いきなり19Mbpsも出た。これなら、雑誌に出ている「ニューファミリー」の標準以上だ。
 とにかく、他の条件が全て同じで、インターネットセキュリティが「有効」だと3Mbps、「無効」だと19Mbps出るのだから分かりやすい。もしかしたら、設定方法に問題があったので、シマンテック社の「よくある質問−通信速度が低下してしまった」を見て、そこに記載されている全ての方法を試したが、何の効果もなかった。ちなみにこのページ、最近になって「原因の概要」Norton Internet Security や Norton Personal Firewall はコンピュータを保護するため、常に通信を監視しています。監視することにより、ある程度の通信速度の低下が発生してしまいます。・「対処方法」プログラムの仕様上、具体的な対処方法はありません。セキュリティ保護のためそのままお使いください。という項目が追加された。16Mbpsが「ある程度」ですむ数字なのかは個人的には疑問に思う。
 この障害の困った事は、「アンチスパム」と違って、インターネットセキュリティ全てを無効にしないと解決しない、という点にある。つまり、折角2万近く払って導入した「ベストエフォート100Mbps」の環境を得るためには、「インターネットセキュリティ」の機能を犠牲にしなければならないわけだ。
 もちろん、「パーソナルファイヤーウォール」機能が止まれば、その分、脅威にさらされる危険度は高まる。さらに、「広告ブロック機能」も使えなくなってしまうのが痛い。無意味かつ不快な内容も含まれるあのバナー広告を消してくれる機能は、一度慣れると手放したくなくなる。
 まあ、テキストや静止画像を見る分には、3Mbpsでもさほど困らないので、見るサイトにあわせて、「速度」と「バナー広告」を天秤にかけ、インターネットセキュリティを有効にしたり無効にしたりしている。
 とはいえ、この対策も不便な上に面倒である。「2005」がいつ出るか知らないが、この問題が解決されない場合は、別のベンダーの製品の使用も検討すべきかも、と思うようになった今日この頃である。

 2004年12月追記・結局、「インターネットセキュリティ2005」を入れる事にした。その結果についてはブログに記載。

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