アプリケーション雑感

 

第8章・Opera7.5

2004/06/21

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1.国内代理店変更(?)と7.5登場

 二年ほど前からOperaを使っている。当初のバージョンは6.xだったが、その後、7にメジャーアップグレードされ、さらに最近になって7.5が出た。
 その間、細かく何度もアップグレードしてきた。Operaの特徴として、セキュリティーホールが発見されると、パッチの配布でなく、バージョンアップで対処する、というのがある。セキュリティ対策としてどちらがいいのか分からない。ただ、おかげさまでOperaは筆者の使うアプリの中で、もっとも頻繁にアップグレードしたものとなった。
 さて、そのOperaが今春に7.5になった。7.2xから7.5になったわけで、凖メジャーアップグレードといったところだろうか。

 また、この7.5の登場にあわせ、日本のOperaユーザーに取ってかなり重要な事件が発生した。これまで日本語版Operaはトランスウエアという会社が販売・サポートをしていたのだが、それが突如ライブドア社に権利が引き継がれた、と発表されたのだ。この会社は、先日、あるブログサイトを買収した際に、移行の仕方で不評をかった会社である。
 また、今回の移管に関しても今ひとつはっきりしない。トランスウェアのほうは、5月21日に「移管したという正式な話は聞いていない」と発表して以来、サイトの更新がない。一方、ライブドアのほうは「トランスウェアからOpera Softwareに移管の話があり、そのために引き継いだ」という「Opera Software ASA」の声明文を掲載した。
 はっきり言ってわけがわからない。まあ、この2年数ヶ月の間、トランスウェア社のサポートなどは一度も受けた事がないし、今後もライブドアのサポートを受ける事もなさそうだ。また、とりあえずトランスウェアにユーザー登録した際の個人情報はライブドアには流れないらしいので、あまり気にしない事にした。
 なお、当初ライブドアはOpera7.5をダウンロード販売する予定だった。しかし、7.5に不具合が発見されて7.51が出て、その7.51を日本語化する際に別の不具合が出た(?)ので、ライブドアによる日本語版の販売は7.52が出てからになるそうだ。
 もちろん、そんなのにつきあっているわけにはいかない。そこで、7.5が出たときに英語版をダウンロードして、さらに日本語化ファイルをダウンロードして使った。その後も7.51登場の際にも上書きしたが、現在のところ、特に問題なく使えている。というわけで、当分の間はライブドアに関わらずにOperaを使い続けることができそうだ。

2. RSSリーダー機能

 7.51にアップグレードして一番影響があったのは新たに加わった「RSSリーダー」だった。現在、ブログ(Blog)をはじめ、更新時にRSSファイルを出力するサイト・ページが急増している。筆者も5月からブログを始めたが、その理由の一つに、「これからはどうも「セマンティックウェブ」なるものの時代になり、そのなかでRSSというものが重要になるらしい。ならばそのRSSを自動作成するブログを作ってみようか、というものがあった。
 ただ、当初はこのRSSファイルを読む「RSSリーダー」に何を使うかで悩んでいた。いくつかの紹介ページを見ても、「無料の日本語版」のものはあまりなさそうなのだ。RSSリーダーに対する基礎知識も情報もないのに、いきなりリーダーを購入するのもどうかと思っていた。その時に知ったのが「Opera7.5にはRSSリーダー機能がついている」というものだった。
 Operaなら既に使っているので、購入や選択に悩む必要はない。なんでもメール機能の一部として追加されている、という事なので、さっそく「メール」のところを開いた。ちなみに、Operaを導入する前に既に別のメーラーを購入していたため、Operaの「メール機能」を使うのは、これが初めてである。

 早速、行きつけのココログを使っているサイトに行き、「このサイトと連携する(XML)」というリンクをクリックする。すると、「RSSファイル」が出現した。といっても、目で見る分にはテキストで表示されるXMLデータなので、タグとブログの内容が羅列されているだけだ。
 表示されたURLをコピーし、Operaの「メール」を開く。「RSSリーダー」という単語は無かったが、通常のメールソフトで見ない「ニュースフィード」なる項目があったので、多分これだろうと思って開いた。「新規作成」というところを押すと、名前とURLを入れる欄が出てきたので、名前を打ち込んで、先ほどコピーしたURLを貼り付ける。
 すると、メールと同じような感じで(メーラーにRSSリーダー機能をつけたのだから当然だが)、そのブログの表題一覧が表示された。
 これは確かに便利だ。メールの本文にあたるところに記事の冒頭部分が出るので、表題とあわせて読めば、本記事を読むかどうかもそこで判断できる。読みたくなけれければ下に表記されているURLをクリックしなければいい。しかも、メールと同様に定期的にチェックするので、頻繁に更新の有無がわかる。

 ところが、次に自分のブログを登録しようとして作業をしたが、今度は一覧を表示してくれない。自分の設定がおかしかったか、と思ってブログのほうをいじくるが、どうしても読んでくれない。設定に問題があるのか、OperaのRSSリーダーに問題があるのか、これでは分からない。そこで、シェアウェアをダウンロードして、自分のブログを登録してみた。すると、即座に記事一覧が表示された。という事は、OperaのRSSリーダーに問題があるわけだ。試しに別のプロバイダが提供しているブログを登録しようとしたら、同様の事が起きた。まあ、ブラウザに付属しているメーラーに付属しているリーダーなのだから、仕方ないのかもしれない。
 この時点では「全てのRSSファイルを読めないのなら意味はない。やはり金を払って専用ソフトを使うしかないのか」と思っていたのだが、翌日ブラウザを立ち上げたら、昨日読めなかった記事一覧を自動的に取得していた。なんらかの問題で時間差が生じるのだろうか。いずれにせよ、とりあえずどのRSSファイルも読める事は分かったので一安心した。

 なお、最初の頃はこの「RSSファイル」へのリンクを探すのにちょっと手間取った。サイトによって、RSS取得用の言葉が違うからだ。たとえばMovableTypeをそのまま使っていると「Syndicate this site (XML)」などという文字が小さく書かれているだけだ。
 もっとも、すぐに「上のナビゲーションバーにある『ニュースフィード』という文字をクリックすれば、自動的に巡回登録ができる、という事にしばらく経ったら気づいた。 このナビゲーションバーは、Opera・MozilaなどにあってIEにはない機能だ。一発でトップに戻れたり次のコンテンツに移動できる上に、常に表示されているので重宝しているが、このような機能まであるとは思わなかった。
 なお、ブログではないが、「さるさる日記」の新しいやつにもこの機能がついている。ブログの多くは、RSSへのリンクは右下についているが、「さるさる」は左下に「GET XML」と書いてある。もちろん意味は「この日記をXML形式で出力したファイルをGETする」なわけだが、ちょっと省略しすぎているような気がしないでもない。
 いずれにせよ、定期的に見ているブログおよび日記をRSSリーダーに登録した結果、「見に行く」という行為が不要になり、大変便利になった。

番外・検索窓のカスタマイズ

 これはOpera7.5の新機能ではなく、6の時代からの機能である。しかし、先日初めてカスタマイズしようとして、えらく苦労したので、せっかくだから書いてみた。
 Operaのアドレスバーの右には検索窓がある。IEだとわざわざダウンロードしてインストールしなければならない「Googleツールバー」がデフォルトでついている上に、他の検索エンジンも使えるので、非常に便利である。
 それはいいのだが、英語版を日本語化しても、この部分は「日本語化」されず、「google.com」での検索となってしまう。たいていはそれでも問題なく検索できるのだが、細かいところで、「google.co.jp」より不便だ。というわけで、何とか変更しようと情報を集めてみた。
 すると、「serch.ini」ファイルを書き換えるといい、という事がわかった。さらに、MoonStone'S Laboratoryというサイトで、多数の検索サイトなどに対応できるiniファイルの内容を作成できる。なにせ、検索のみならず、辞書機能なども使えるというのだから、非常に便利だ。
 早速、そこでiniファイルの内容を作成し、既存のserch.iniファイルに上書きする。ところが、Operaを再起動しても検索窓はそのままだ。

 いろいろやり方を変えて試してみたが、どうしてもできない。そこで、恥をしのんで(?)ブラウザ収集家で、ベータ版の頃から7.5を使ってた嫁さんに尋ねる事にした。すると一言で「違うserch.iniを変更したんじゃないの?Program Filesじゃなくて、Documents and Settingsの中だよ」と言われた。確かに、そこの自分のユーザーフォルダの中に「Application Data」というフォルダがあり、そのなかにもOpera7.5というフォルダがあった。
 そこのserch.iniを書き換えてOperaを立ち上げると、見事に検索窓が変わっていた。やはり、分からないときは知っている人に尋ねるに限る。この「内助の効」のおかげで、検索はもちろん、翻訳も検索窓でできるようになり、さらに便利にOperaを使えるようになった。

 というわけで、ますます便利に使えているOperaだが、冒頭のように、国内販売代理店変更などの問題があり、なかなか落ち着かない。とりあえず、「Opera8を広告表示なしで使うには、ライブドアにユーザー登録しなければならない」という事態だけは避けてほしいものである。できれば末永くOperaを使いつづけたいのだが・・・。

※追記・2005年9月にOperaは無料化された。したがって、上記の会社にライセンス料を支払う、といった危機は永久に回避された。

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