2.Lindows
その中で、今回いちばん話題になったのは、LinuxにWindowsライクのGUIをつけたOS「Lindows」だろう。販売元は「エッジ」という会社。元は法人用のシステム会社みたいだが、最近、無料プロバイダーの「Livedoor」を買収したり、メールソフトの「ユードラ」の販売権を獲得するなど、コンシューマー向け事業に参入を開始したようだ。
他社と比べると明らかに気合が違う。ブース内に竹林(「リン」ドウズにひっかけた?)を作り、コンパニオンの衣装も複数用意している。そして、「Lindows」の入ったパソコンを十数台展示して、自由に触れるようにしてある。
そして、何よりも凄いのは販促グッズとして配りまくっていた、「タコ殴りうまい棒」だろう。うまい棒のイメージキャラの「灰色のドラえもんモドキ」がMicrosoftのCEOをモデルにしたようなお面を被り、「W」という文字を頭につけてリングに立っている。それを「L」という文字を頭につけたタコが「タコ殴り」にしているのだ。なかなか過激な意匠である。それにしても何故「うまい棒」なのだろうか。(参考画像※別窓で開きます)
実際さわってみた「Lindows」は、確かにWindowsとほとんど変わらない画面だった。ブラウザは、ボタンから見るとモジラのようだ。また、MicrosoftOfficeと互換のStarSuite(OpenOfficeの製品版)も入っていた。
ただ、さほどその画面に新鮮味は感じなかった。2年ほど前に、本の付録CD-ROMに入っていたRedHatLinuxをインストールした事があった。そのデスクトップ環境の「GNOME」というものは、Windowsに近い操作感覚をすでに備えていた。
確かに、「Lindows」は「マイコンピュータ」「マイドキュメント」ができるなど、よりWindowsに近くなっている。しかし、「マイコンピュータ」を右クリックして「プロパティ」を見れば、システムの構成がわかる、という所までは「Windows」と同じではないようだ。
また、この「Lindows」の売りの一つに、「年間9,800円を払うと、OSのカーネルからデジカメ画像管理ソフトまで、様々なLindows用アプリケーションを好きなだけインストールできる」というのがある。なかなか便利な仕組みだが、ちょっと9,800円は高いような気がしないでもない。
あと、試しに「Lindows」パソコンで当サイトの「絵画館」を見てみたのだが、トップ画像(25kb)を表示している最中に固まってしまった。さすがにOSのせいとは思えないので、回線の遅さか、PCの性能が原因だろう。とはいえ、満を持して発表する以上、回線やPCはもっときちんとしたものを用意しておくべきだったように思える。少なくとも、竹林や「うまい棒」よりはそちらのほうに予算を使うべきだったのではなかろうか。
というわけで、残念ながらやや期待はずれな「Lindows」の展示会だった。とはいえ、新規購入はもちろん、アップグレードにも高う金を取り、しかもセキュリティは穴だらけというWindowsに代替しうるOSというのはやはり必要だと筆者も考える。ぜひとも「LindowsプリインストールPC」が発売されるよう、頑張って欲しいものだ。
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