10.西友幕張西店

2003/10/05

 4年前に、幕張西ショッピングセンターという「人工商店街」があったが、すぐ裏手に西友があるなどの立地条件もあり、つぶれて廃墟となったというような事を書いた。
 その西友幕張店は、我が家から15分くらいの所にある。我が家にとっては、より近い所に3つほどスーパーがある。したがって、ここまで行く必要は本来はないのだが、散歩するのにちょうどいい距離なので、月に何回かここで買い物をしていた。
 この地域は西友を中心とした「ショッピングセンター」となっており、ファミレス2軒に眼鏡屋や洋服屋など10くらいの店がある。また、2000年頃までは西友の店内にスナックコーナーがあり、「マリン焼き」というものを売っていた。これは外側は鯛焼きで、餡子の代わりにお好み焼きの具が入っている、というものだった。幕張本郷に越してきて始めてこれを見た時は、「さすがはマリンスタジアムのある街だ」と妙に感心した記憶がある。その後、このスナックコーナーはなくなったが、西友はあいかわらずそこそこ客が入っている、という印象だった。
 ところが、8月末のある日、いつものように西友に行こうとしたら、入口あたりに「閉店セール」というビラが大量に貼ってあった。「まあ西友はありえない。ひょっとすると先日眼鏡を買った店か?あそこは、人の入りがよくなかったしな」などと思いながら西友に入ろうとしたら、入口に「9月30日をもって閉店します」という掲示が貼られていた。
 確かに、西友や西武デパートの経営が苦しく、百貨店も含めて閉店の計画がある事は知っていた。とはいえ、まさか行きつけの店が対象となっていたとは思いもしなかった。

 そして閉店前日の9月29日に、西友幕張店に行った。すでに売り尽くしセールがほとんど終わっており、棚のほとんどは空で、各所でワゴンセールが行われていた。
西友幕張店閉店前夜1 西友幕張店閉店前夜2 西友幕張店閉店前夜3 西友幕張店閉店前夜4

 空っぽの棚と対照的に、ワゴンには様々な売り切れ品が5割以上の値引率で売られている。こんなもんが、このスーパーに売っていたんだ、というようなものも多い。閉店前日まで売れ残っていただけの事はあり、みな定価の割には使用価値が低そうで、しかも納品されてからかなりの時間が経ち、くたびれた雰囲気を醸し出している。しかし、やはりこの割引率は魅力なのか、人だかりはかなりのものだった。嫁さんも「こんなもん使うんかいな?」と思えるようなものまで買っていた。

 こうして、最後の買い物をし、店を後にした。最初にも書いたように、我が家の生活にとってはさほど重要な店ではなかった。とはいえ、やはりなくなるのは寂しいものである。
 それにしても、この「ショッピングセンター」において、面積においても集客力においても最大の店がなくなってしまったわけである。実際、我が家でも、今後はこの「ショッピングセンター」に行く機会はほとんどなくなるだろう。今後はいったいどうなるのだろうか。ふと、かつて存在した幕張西ショッピングセンター跡地の寂しい風景がふと頭をよぎった。  
戻る/次へ


旅行記とローカル情報に戻る

トップページへ戻る