アフガニスタンの20年

 アフガニスタンをタリバンが奪回した、というニュースが夕刊で大きく報じられていました。
 アフガニスタンの情勢にさほど詳しいわけではありませんが、この大本になった事件はよく覚えています。
 20年前、ニューヨークなどで自爆テロが起きた時、アメリカはろくに調べもせず「テロの本拠地はアフガニスタンだ」と決めつけて戦争を仕掛け、当時、権力を持っていたタリバンを追い出して、アメリカの意に従う政権をつくったものでした。
 その時、忘れられないのは、アメリカが一般人を空爆で殺すとすべて「誤爆」と報道されたことです。実際、大量の「誤爆」が報告され、アフガニスタンの一般市民がアメリカ軍に大量に殺された事が明らかになっています。
 それから20年、アメリカは戦争を続け、多くの命が失われました。そして、米軍が撤退を始めたのにあわせ、タリバンが政権を奪回したわけです。
 20年前、アメリカが何もしなければ、どれだけの命が奪われただろうか、と思います。
 今日の報道を見る限り、これからはタリバンの脅威を煽ることが増えそうな感じです。タリバンの実態については、自分は何とも言えません。
 しかしながら、いくら煽ったところで、20年前にアメリカがアフガニスタンに攻め込み、戦争を続けた事が正当化される事だけは絶対にない、という事実はゆるがないと思っています。