残念な人を増幅するAI

 ネットを見ていたら、歴史学の博士に、AIをソースに「論争」を挑んでいた人を見ました。
 AIが出力した文書には、「参考文献」があるのですが、学者の方は、それらの本が実在しないことを明らかにしていました。
 まあ、AIが普及する前から、何ら専門的知識も素養もない人が、専門家相手に「論争」を挑んで返り討ちにあう、というのはよくあることでした。
 そのような人たちがAIという「新兵器」を入手したため、さらに勢いを増した結果と言えるかもしれません。
 当たり前の話ですが、誰でも使えるAIに質問を打ち込んで、そこから出力される結果を入手したところで、自分の思考力や知識が増すわけではありません。
 もちろん、専門家あいてに論争する能力などもたらされるわけがありません。
 AIは便利ですし、これからますます発展していくと思います。
 ただ、この「論争」を見ると、AIで自分が賢くなったと勘違いして周囲に迷惑を及ぼす残念な人も、AIの普及にあわせて増えるのでは、と思わざるを得ませんでした。